199Xー1:音楽、HR・HMとカセットテープと

 まだカセットテープがぎりぎり生存していた時代だったと思う。僕が音楽と親密に付き合うようになった当時、多分1995年か96年ぐらいだったけれど、カセットのポータブルプレイヤーを愛用していた記憶がある。自宅のミニコンポにはカセットが二つ入れられるようになっていてダビングや録音をすることができた。ラジオで一曲の半分ぐらいだけ流れる最新の曲を、そのラジオ番組のジングルが入りこまないように細心の注意を払って録音していた。おそらく、この手の楽しみ方をしていた最後の世代なのだと思う。主流はCDであったし、MDは調べてみたら1992年からあったらしいけれど、正直なところあまりお世話になった覚えがない。MDウォークマン的なものも自宅にあったとは思うが、小さすぎる筐体があまり好きではなかったのか、高校1年生だった1998年にカセットテープのポータブルを買ったことをよく覚えている。

 富裕層というわけでは全くなかった当時、僕の音楽を主に支えてくれていたのはレンタルCD店だった。レンタルするのではなく、ワゴンセールになっている、いわゆるレンタル落ちのCDを購入するのだ。少し古いものならば借りるのと大差ない金額で購入できたのだ。まだ好みがそれほど確立されていなかったからなんでも聴いた。そんな中でX JAPANを知り、メガデスを知り、メタリカを知り、少しずつHR・HMに傾斜していったのだ。

 そういえば、HELLOWEENを知ったのもこの頃だ。おそらく2000年ごろ。当時の僕はバンドでギターを弾いていて、確か着メロ(懐かしい響きだ)をEAGLE FLY FREEにしていた。自分で3和音を打ち込む古き良き時代・・・・・・かどうかは微妙なところであるが、2004年に火事で燃えてしまったヤマギワソフトでDARKRIDEのポップを見て購入したのがきっかけであったと思う。XJAPAN好きな人にはおすすめ、と謳われていたと思う。メガデスのようなどしんとした音が当時はあまり好みではなく、また、メタリカは逆に少しスカスカとしていて物足りなかったのだ。そんな僕にHELLOWEENは刺さった。刺さりまくった。だから、バンドのディスコグラフィ的には全くもって不人気な同作が今でも僕にとってはHELLOWEENの原風景で、はっきり言ってローランドもウリもあまり好きではないがこのアルバムだけは別なのである。

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